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親の在宅介護を行っている就労世代のみなさん、自分の休息時間は確保できていますか?確保したくてもなかなかできなかったり、そもそも確保する方法を知らない方も多いのではないでしょうか。
介護者が一時的に介護から離れて、リフレッシュや休息をとるためのケアやサービスのことを「レスパイトケア」と言いますが、株式会社SOYOKAZEでは、在宅介護を行う就労世代の方に向けて、レスパイトケア活用に関するアンケート調査を実施しました。
この記事では調査結果を中心に、レスパイトケアの重要性や積極的な利用に向けてできることについて解説します。レスパイトケアをうまく活用し、介護者・介護される側双方の不安解消につながることを期待します。
※当該記事に関する個別のお問い合わせは受け付けておりません。また、記事中の触れられている法的見解についての責任は一切負いかねます。所管の自治体窓口または弁護士等の専門家にご相談下さい。「そよ風」のサービスに関してのお問い合わせや不明点は、お問い合わせフォームより受け付けております。

株式会社SOYOKAZEでは、親の在宅介護を行っている就労世代を対象にアンケート調査を実施しました。
アンケートテーマ:就労世代の在宅介護とレスパイトケア活用に関する実態調査
調査方法:インターネット調査
調査対象:親の在宅介護を行っている方
調査人数:330名
調査世代:45~65歳の男女
調査日:2026年4月30日~5月1日
モニター提供元:RC リサーチデータ
※回答比率は小数点第二位を四捨五入しているため、回答比率の合計は100.0%にならない場合があります。
その調査結果から、介護者が大きな負担と不安を抱えている実態が見えてきました。
まず「働きながら在宅で家族介護を行う中で、ご自身の心身に負担を感じることはどの程度ありますか。」という設問に対する回答は以下の通りです。

「常に感じる」「頻繁に感じる」「たまに感じる」を合わせると、全体の93.6%を占めています。感じる頻度に度合いの差はあるものの、実に9割以上の介護者が負担を感じているという結果になりました。
次に「働きながら在宅介護を行う中で、ご自身のリフレッシュや休息のための時間は十分に確保できていますか。」という設問に対する回答は以下の通りです。

「十分に確保できている」と答えたのはわずか10.6%にとどまりました。この結果から、働きながら在宅介護を行う中での、介護者自身のリフレッシュ時間の確保の難しさが明らかになりました。
次に「在宅介護を続ける中で、ご自身が最も不安に感じることは何ですか。」という設問に対する回答は以下の通りです。

3.6%の方が「特に不安はない」と答えましたが、それ以外の方は何かしらの不安を抱えており、その中でも特に割合が高かった上位3つは以下の通りとなりました。
①心理的ストレス:37.3%
➁身体的な負担:19.4%
➂自身の老後資金:15.8%
最も割合の高かった「心理的ストレス」は全体の約4割にのぼり、在宅介護を行う介護者が抱えている不安が浮き彫りになりました。

前章では、就労世代が感じている在宅介護の不安と負担についてのアンケート結果を中心に解説しましたが、アンケートではそのほかにも以下のような設問について尋ねました。
・ 要介護者のショートステイ(短期間宿泊)等のレスパイトケアを利用したことはありますか
・ご自身の休息や急な用事の際に、要介護者がショートステイ(短期間宿泊)できる介護施設を利用したいと思いますか
レスパイトケアとは、息抜きや休息を意味する「レスパイト」と、「ケア」を組み合わせた言葉で、介護者が一時的に介護から離れてリフレッシュや休息をとるためのケアやサービスのことを言います。
株式会社SOYOKAZEでは、レスパイトケアの選択肢として活用いただきたいショートステイの運営に力を入れており、就労世代のレスパイトケア利用実態を調査するべく、上記設問を投げかけました。
まず「要介護者のショートステイ(短期間宿泊)等のレスパイトケアを利用したことはありますか」という設問に対する回答は以下の通りです。

「ある」が41.8%、「ない」が58.2%となりました。「ない」が「ある」をやや上回ったものの、約4割がショートステイ等のレスパイトケアを利用した経験があることがわかりました。
次に「ご自身の休息や急な用事の際に、要介護者がショートステイ(短期間宿泊)できる介護施設を利用したいと思いますか」という設問に対する回答は以下の通りです。

「積極的に利用したい」「必要があれば利用したい」の2つの回答の合計は85.7%、「あまり利用したくない」「全く利用したくない」の2つの回答の合計は14.2%となりました。利用したくない介護者が一定数いるものの、8割を超える介護者が利用したいと思っていることが判明しました。
以上2つの設問結果から、レスパイトケアでショートステイなどの介護施設を利用したいと思っている介護者は多いものの、実際にはまだ利用できていない方が多いことがわかります。

1章、2章ではアンケート結果を中心にお伝えしてきましたが、その結果思ったようにレスパイトケアができていない介護者が多くいることが判明しました。
負担を感じつつも、リフレッシュする時間が思ったように確保できない状況が続くと、介護者側のストレスが大きくなり、介護うつを発症してしまう可能性も少なくありません。介護うつは、介護からくる不安やストレスが要因の一つとしてされており、不安や負担を軽減する手段のひとつとして、レスパイトケアは有効だと言えます。
本章では前章の最後で触れた「ショートステイなどの介護施設を利用したくない理由」に対し、どのようなアプローチが可能かについて具体的に解説します。
まず「費用負担が心配」という点についてです。
利用したくない理由のトップ1になるように、まずは何よりも費用が心配という介護者は多いです。実際にレスパイトケアでは、少なからず費用は発生しますが、少しでも費用負担を軽減するために、費用に関連して3つの点について解説していきます。
まずショートステイやデイサービス、訪問介護など、レスパイトケアでよく挙げられる介護保険適用のサービスについては、基本的に1~3割の自己負担額で利用ができます。介護度別に利用できる限度額は決まっているものの、自己負担額を抑えて利用することが可能です。
細かな条件はあるものの、所得が低い方や1か月の利用料金が高額になった場合に適用される軽減制度があるのをご存じでしょうか。
※参考記事:30代介護会社職員の私も痛感。将来の介護費用で困らない為に”今”知って欲しい知識
申請等は必要になりますが、少しでも費用を抑えたい方にとっては知っておきたい情報のひとつです。ただし内容の判断が難しいものも多いため、ケアマネジャーに相談をして確認するようにしてください。
「費用負担が心配」だからこそ、レスパイトケアにはショートステイをおすすめします。
滞在費や食費など複数の費用がかかるため、決して安いものではないですが、ショートステイは1日単位で利用ができるため、いざというときにうまく活用したいサービスです。
長期利用の場合、費用負担は大きくなりますが、1日単位だからこそ最低限で抑えることができます。お試しの気持ちでまずは一度、利用を検討してみてはいかがでしょうか。
次に「介護される本人が利用を望まない」という点についてです。
介護者の気持ちとは裏腹に、介護される側がレスパイトケアの利用に抵抗を感じることも少なくありません。どんなものなのかがわからないと、不安になってしまう気持ちも理解できます。そこで介護される側の気持ちに寄り添うことが大切になりますが、レスパイトケアにおいては、いくつか工夫できる点がありますので解説していきます。
レスパイトケアには、状況や希望にあわせて複数の選択肢があります。
【介護保険適用】
・訪問介護
・デイサービス
・ショートステイ
など
【自費利用】
・家事代行サービス
・配食サービス
・送迎サービス
など
介護される側は、「まだ自分でできる」という自信と、「どんなサービスなのかわからない」という不安から、これらのサービスの利用を拒むケースが多いです。
いきなり宿泊を伴うサービスを利用するのではなく、訪問介護や配食サービスなど、介護の一部を担うサービスの利用から始めてみるのをおすすめします。サービスを利用する中で、「人に任せても安心」という気持ちが芽生えると、少しずつ利用サービスの幅も広がっていくでしょう。
デイサービスやショートステイなど、自宅ではなく施設で利用するサービスの場合は、利用前に必ず施設見学することをおすすめします。
提供するサービスが同じだったとしても、環境や相性などがあるため、実際に目で見て気に入った施設を選ぶようにしましょう。
最後に「サービス内容・質への不安」という点についてです。
「介護される本人が利用を望まない」という点とも近しいですが、介護者側もサービス内容や質へ不安を抱えている方が多いようです。
施設見学をすることで多少の不安は解消されますが、どんなサービスでも1度利用をしてみないと、自分たちに合ったサービスかどうかはわかりません。ただし1度利用したからと言って、必ず利用継続しないといけないというわけでもありません。
ケアマネジャーにレスパイトケアについて相談しながら、複数のサービスを少しずつ利用を検討してみてはいかがでしょうか。

今回実施したアンケートでは、「ショートステイができる介護施設を利用する場合、どのような点を重視しますか。」という設問もありました。結果は以下の通りです。

「スタッフの対応や専門性」が61.8%と1番回答が多く、次に「自宅への送迎がある」が60.8%、「施設の安全性や設備」が51.2%と続きます。
これらの点をサービス利用前にある程度判断するには、やはり施設見学が有効です。不安な点については、遠慮せずに質問するようにしましょう。またケアマネジャーに相談することで、現在のお身体の状態や費用面の不安などさまざまな状況を踏まえて、適したサービスや事業所を紹介してくれます。
自分たちだけで不安や心配を抱え込まずに、まわりに相談しながらレスパイトケアの積極的な利用をご検討ください。
※参考として、老人ホーム見学時のチェックポイントについてまとめたこちらの記事をご覧ください。老人ホームの見学を対象としているためチェック範囲は広めですが、見るべきポイントをわかりやすく解説しています。
参考記事:老人ホーム見学7つのポイント【ダウンロードできる見学時リストつき】

さいごに、レスパイトケアに関してよくある質問についてまとめました。
Q1. 「レスパイトケア」とは、具体的にどのようなサービスを指すのですか?
A1.レスパイト(respite)は英語で「休息」や「息抜き」を意味し、「介護者のためのケア(ケアする人のケア)」を指す言葉です。
具体的には、以下のようなサービスを目的に応じて使い分けることができます。
Q2. 介護疲れだけでなく、「自分の旅行」や「趣味」といった私的な理由で利用しても良いのでしょうか?
A2.全く問題ありません。むしろ積極的に利用すべきです。
「介護を休むのは手抜きではないか」と罪悪感を抱く方も少なくありません。しかし、レスパイトケアの本来の目的は、介護者が心身の健康と笑顔を保ち、介護疲れによる「共倒れ」を防ぐことです。旅行、冠婚葬祭、出張、趣味の時間の確保など、介護者自身のライフスタイルを維持するためにためらわず活用してください。
Q3. レスパイトケアを利用することは、介護される本人(要介護者)にとってもメリットがありますか?
A3.はい、非常に大きなメリットがあります。
介護施設を利用することで、専門スタッフによる適切なケアが受けられるだけでなく、普段自宅ではできないリハビリやレクリエーション、他者との交流の機会が生まれます。新しい環境での刺激は、認知症のケアや生活機能の維持、気分転換にも効果的とされています。介護者と要介護者が一時的に適切な距離を置くことは、双方の生活の質(QOL)を高め、良好な家族関係を維持することにつながります。
Q4. 「介護施設に預けて自分だけ休む」ということに対して、罪悪感や申し訳なさを感じてしまいます。
A4. そう感じてしまう介護者の方は非常に多く、今回の調査でも多くの人が「心理的ストレス」を一番の不安に挙げています。
しかし、レスパイトケアは決して「手抜き」や「介護の放棄」ではありません。介護者が睡眠不足やストレスで倒れてしまっては、在宅介護そのものが立ち行かなくなってしまいます。
「自分が笑顔で優しい介護を続けるための、前向きな準備期間」と捉え、まずは数時間の利用から始めて、お互いにリフレッシュできる時間を作っていくことが大切です。施設のスタッフやケアマネジャーに相談しながら活用を検討してみてください。
Q5. レスパイトケアをスムーズに、安心して始めるためのポイントはありますか?
A5.以下の3つのステップを意識すると、不安やミスマッチを最小限に抑えられます。

アンケート結果の内容を中心に、レスパイトケアの利用に向けてできるアプローチについて解説してきました。
よくある質問にもあるように、レスパイトケアを利用することで罪悪感を感じてしまう介護者もいますが、利用を避けることで心理的ストレスにつながり、結果として介護される側にとってもマイナスに働いてしまう可能性もあります。
ケアマネジャーに相談しながら、積極的なレスパイトケアの活用を検討しましょう。
※当該記事に関する個別のお問い合わせは受け付けておりません。また、記事中の触れられている法的見解についての責任は一切負いかねます。所管の自治体窓口または弁護士等の専門家にご相談下さい。「そよ風」のサービスに関してのお問い合わせや不明点は、お問い合わせフォームより受け付けております。
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株式会社SOYOKAZE
渡邉 祐貴
(介護福祉士・介護支援専門員)
介護現場に10年従事し管理者、生活相談員、計画作成担当者など様々な役務をデイサービス、ショートステイ、グループホームで経験。介護福祉士、介護支援専門員等の資格を取得し、介護の専門性を磨く。
その後、現職となり介護業界での経験は約20年。
現場の感覚を忘れずに、課題や問題点を抽出し、その対策に日々取り組んでいる。
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